『ASAKUSAÉ(浅草へ)/Orientation 50°Nord』カタログ
掲載記事抜粋
現代美術の出会いと変革を目指して──日本ベルギー現代美術交流展・成立の経緯と目的
酒井 信一(ICAEE代表)
1989年に開かれたユーロパリア・ジャパンは、それまでは皆無に近かった日本現代美術に対する関心をベルギーに引き起こしました。その関心は従来の異国趣味に留まったものではなく、ベルギー現代美術自身の問題意識が投影されたもので […]
作品によせて[12]
Thérèse CHOTTEAU テレーズ・ショットー(参加アーティスト)
どうしたら、平凡なイメージを土や石膏、コンクリート、ブロンズといった素材に定着させることができるのか。私はこれら伝統的な素材のもつ本質的なリズムや性質を追求したい。素材には常に色彩的記号を負わせている。表面を制作すると素 […]
作品によせて[13]
Juan d' OULTREM0NT ジュアン・ドゥルトレモン(参加アーティスト)
その問題を避ける一番簡単な方法は、名前だけをあげることです。 デュシャン(マルセル)、ブルータス(マルセル)、クールベ(ギュスタブ)、虚為(その論理)、ベルナール(トーマス)、マン(トーマス)、ロット(フィリップ)、グラ […]
作品によせて[14]
マリ=アンジュ・ブレイエ(アートディレクター)
イブリーヌ・デュブック、彼女の眼差しは、他の者とは異なっている。その作品は、目に見える叫びであり、地震のような問いかけであり、視覚のシンフォニーであり、めまいを感動に導く装置である。目のための音楽であり、その波動は、万物 […]
作品によせて[15]
マリ=アンジュ・ブレイエ(アートディレクター)
ベルナールとモニカ・ユボ の選んだ道は、絵画と彫刻というカテゴリーを変えるための、冒険的試みである。 彼らの強烈で象徴的な現在の作品は、彼らが今までに用いなかった折り紙と糸巻きの構造を用いることによって、宇宙と中心のエネ […]
作品によせて[16]
マリ=アンジュ・ブレイエ(アートディレクター)
ミッシェル・ムーフ の絵画は、一見「モノクローム」のように見える。しかし、その下には、黄、赤、青とその混合色と、実に様々な色が隠されている。平らに絵具を塗り、一色重ねるごとに紙やすりで磨き、表面は次第に厚くなっていく。し […]
作品によせて[17]
Veerle PINCKERS ベールル・ピンケール(参加アーティスト)
あいまいな金属の、重さや黒い色彩の象徴である鉛の箔は、覆ったり、包んだり(被膜したり)するのにたいてい役立つ。 衣服や影や物体として表現されると、それは第二の皮膚となる。 その皮膚の存在によって不在、肉体の不在、物の不在 […]
作品によせて[18]
SEROUX セルー(参加アーティスト)
現在、私は風景の中に残った人間の痕跡を通じて、存在に関しての象徴的な神話を思考し、創造している。 絵画やデッサンを見つづけていると、瞬間性と永遠性の衝撃を受けるようになる。その時、空間は、ある種の不動の永遠に向かう。 「 […]
作品によせて [19]
Christine WILMES クリスティーヌ・ウィルメス(参加アーティスト)
物や壁の押型をとること、それは、魂を盗む事だろうか? そうかもしれないが、……また同時にそれらの魂を見つけ出すことでもある。 型どりされた物は、機能性と有効性を失い、返却された魂だけが残る。その魂は弧高にして、脆い美しさ […]