作品によせて[2]

伊東 直昭(参加アーティスト)

■金竜小学校での制作表現に向けて

「制作」の過程とは複雑に入り組んだ「構造」すなわち「綜錯体」的であり、常に流動性で「避け難い偶然」の連鎖として立ち現れる。自らがいかに通常踏まえるべきこととする仕事運びを経たとしても、どこかそれ自体のうちに、おのれの形式的均衡に破掟を及ぼす要素を秘めていることもままあることである。金竜小における表現も、私自身にとって、最も様々な振幅に耐える、検証の場としての「絵画」的な「形式」に乗っとった方法を行っていくであろうが、安定しているかに見える「地と図」の関係の均衡破掟の不可避性が現実の空間(独自の歴史性、社会性の色濃い場所であるといえる)との関わりのどこで顕在化するのか、さらにそれに直面してなお、自分にできることをやりきってなんらかの手ごたえを得ることができればと考える。

『ASAKUSAÉ(浅草へ)/Orientation 50°Nord』p.43

関連展覧会:
  • t01 日本・ベルギー現代美術交流展 「ASAKUSAÉ 浅草へ」(日本展)
  • t02 日本・ベルギー現代美術交流展 「Orientation 50° Nord」(ベルギー展)


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