作品によせて [21]

Catherine WARMOES カトリーヌ・ワルモー、H・アレカン(参加アーティスト)

私の体験と夢(憧憬)の内的印象を可能な限り正確に転写できるようになること:それが私の企てだ。
観察し、注意深く見つめること。建築(組み立て)と力強い塊にちりばめられた限りない空間に浸されるままになること。
私をとりまく建造物を読みとること。私の愛するものの消滅を徹底して妨げること。
「映画人は、丁度望んでいる時に嵐に出会ったり、洪水や雨や霧を当てにすることはできない。だが、画家は自分の想像力によって、アトリエであらゆる自然の効果を再創造したり、生み出すことができる」 (H・アレカン)

***

外界の現実から離れて日常的体験の精髄(エキス)が次第にはっきりと澄んできたり、私の記憶のるつぼから、迷宮的な霧の中に失われていた暗く忘れ去られた様々な場が浮かび上がるのは、アトリエの孤独においてである。
自分の夢を作り出したり、昼間なのに夜を見出したり、空は晴天なのに、すばやく、時にちょっとしたやり方で、雪を見出すのは、強烈な喜びだ。
私の技術は基本的にイメージと結びついている。
パステル、クレヨン、テンペラ絵具とアクリル。
台の上に全てをごちゃまぜにしてしまうことがある。
紙、もろい紙、逆説的にイメージにもとづく紙。
闇に支配をもたらすこと。そのために私は共犯者として、通りすがりの観客を選んだ。そして彼がもし望むなら、まるで暗い夜のように、みつめてみたり、彼が出会うものと協調してみたりして、そんな風に彼の全自律を闇に与えるのだ。
この言葉にこたえるために、私は、
しぐさも、厳格さも、
素材も、紙(台)も、
自然の発想や情動への忠実なる敬意も
主題も、
なおざりにはしない。
どの探求も強烈で、他のものとは断ち難い。 (カトリーヌ・ワルモー)

『ASAKUSAÉ(浅草へ)/Orientation 50°Nord』p.63

関連展覧会:
  • t01 日本・ベルギー現代美術交流展 「ASAKUSAÉ 浅草へ」(日本展)
  • t02 日本・ベルギー現代美術交流展 「Orientation 50° Nord」(ベルギー展)


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