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『ASAKUSA E (浅草へ)/Orientation 50°Nord』カタログ(1991) 所収舞台装置:オープニング・パーティーの画廊
登場人物:男(美術批評家)/もう一人の男(収集家)/元気一杯の画廊の主人/作品にさらに花を添える画家本人
男(もう一人の男に):何か飲むもの……じゃなかった。見るものはありますか?
もう一人の男(男に):あり過ぎて困るほどですよ。
元気一杯の画家の主人:これはこれは、おふたかた。作品にさらに花をそえる画家本人をご紹介しましょう。
作品にさらに花を添える画家本人:私の “最新作” はいかがですか。皆さんのご気分を悪くしなけりゃいいのですけど……
男(画家に):あなたは目に見えないものを見えるようにすると言ってよろしいですね。
もう一人の男(画廊の主人に):この画家は目に見えるものを見えなくすると言ってよろしいですかな。
元気一杯の画廊の主人(男ともう一人の男に):それどころか、彼は見えるものの見えない部分を描くことができるのですな。
作品にさらに花を添える画家本人は櫛を取り出し、髪をなでつけて退場。