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タン・カイシン “ISLANDHOPPING / 島伝いに移動しながら”

Kai Syng Tan


会期:2004年9月13日---9月25日

作家名:Kai Syng Tan
     タン・カイシン

形態・素材:ビデオ・インスタレーション
モニターテレビ、プロジェクター、スクリーン 、DVDプレーヤー

◼︎サウンド・パフォーマンス 9月17日19:00〜
 カール・ストーン+クリストフ・シャルル

展覧会DM

(photo:S)

作家コメント: この作品は「島」という概念に基づいたインスタレーションである。
なぜ「島」かというと、私は島国のシンガポール人として、現在は島の日本に滞在している。若い時も4年間イギリスに滞在したことがある。4つの島国に住んだという単純なつながりをテーマに、そこから色々な話題を考えたり、質問や疑問を出そうとする。
コンセプト・テーマ・出発点・目的(地)
話題としては、たとえば:
島、島国根性、島と島の間と瞬間や途中、島[の人]と島[の人]との交流、海、貿易、21世紀のいわばGLOBALISM、POSTCOLONIALISM、島と島との違い、似ている点、相対性、島と大陸の関連、基地にした島、異国の、文化人類学、旅、竜安寺の伝説/解釈、15世紀にキリスト教を広めるために鹿児島に上陸した聖フランシスコ・ザビエル、14世紀に東南アジアに上陸イスラム教徒の中国人の海の旅人鄭和、遊園地、活火山島、ゴーギャン、松尾芭蕉、核兵器の発射実験地、犯罪者植民地、別荘、植民市、掃き溜め、国土、ゴミ捨て場、祖国 、工業地帯、昭南島、軍隊教練地、無人島、最後のフロンテイア、発電所、重警備の刑務所、魚釣島、石油精製所、孤島、保養地、パラダイス、戦場、高級住宅地、ハンセン病院、ファンタジーランドなどである。
というのは、「島」に基づいているといえるけれども、範囲を広くしたくて、色々な分野を参考にしたり、引用したりするである。様々な角度、それぞれ(政治、歴史、社会、日常生活、自分の体験、言葉、言語、方言、権力、植民地、唄、踊り、パフォーマンス、音楽、映画、ドキュメンタリー、昔話、人類学、文学など)の面から、「島」という概念を解釈しようとする。 論文のように(エッセイ風という)、この映像や音での問いかけで、途中に何か大発見が出てくれば良いのですが、もし大きな、きれいな、立派な結論が出せなくても悲しくならないかもしれない!
いきかた・方法・方法論の方法論
名前付けが必要とすれば、このインスタレーションの主要な方式は「エッセイ風」とは言える。つまり、ビデオ{映像と音}による論文のようなものである。

自己言及性的の映像言葉音での論文・議論疑問分析する・理解しようとする一体「エッセイ風」とは何でしょうか??? (よく分からないからこそ、やってみます!)
私は1993年より映像を使って表現してきた。その前は油絵や彫刻などを使っていた。社会に内在する私は、自分の作品を哲学的な実験のように考えている(かもしれない)。私の作品は、映像や音を使い・利用し・操ることで,社会の出来事を整理しようとすることである。映像や音での人工的な制度を自分で作って、それを使って、その時に発生することをそのまま受け入れないで、分析しようとする。それぞれの政治的、社会的なことなどを理解しようとする。
ところが、自分は使っている道具や手段にも深い懐疑心を持っている。つまり、自分が集めた映像や音を完全には信じていないである。
外の・自分以外のいろいろな現象を風刺として見ているうちに、やがて、自分自身もその現象に属するということが発見できる・はっきり分かってくる。つまり、自分自身と対象 は一緒、対象 (subject/object ofcriticism)
にいわゆる作者も含まれている。作者というsubjectは、作品の中のテーマというsubjectを通して、subjectは object(対象=作品)と一体になっていく。
最後に、作品、そして作者は、自分自身を嘲笑し、からかっている。
結局、それぞれの出来事に理解できず、いまだにあるのは疑問ばかりで、きれいな答えや解決や結論や結果や効果のようなものは全く出てこない。(一所懸命探していたのに……)出さない? 出したくない? 出せない??
最後には、作品は一つの学問的な、学説的なエッセイ(フランス語でessai=試す事)や論文の様なものである。つまり、作品は美術に属するものなのに(かな??)、美術という概念を疑っている。いいえ、作品は美術のものだからこそ、美術という概念を疑っているわけである。その段階・概念を確認しないと、作品は「作品」・「美術」になるはずがない。そのとおりに、残念ながら、作品は作品自己を反映する(self-reflexive)以外価値がないかもしれない…….


作品資料:
展覧会DM(表)

報道資料:


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