“技・巧の悦楽”
素材は身体を欲し、時間は形態に見つめられる
平戸 貢児、松村 真
会期:2000年1月24日---2月5日
作家名:平戸 貢児、松村 真
ヒラト コウジ、マツムラ マコト
形態・素材:平戸 / 黄銅、銅、ウレタン樹脂
松村 / 木材 (ナラ)
展覧会DM
(photo:S)
作家コメント:
◼︎いつかは朽ち果てていく有機体、生命体、その栄華の時のあでやかさは私に強烈な印象を与え続ける。蔦が触手を伸ばして、物にからみついたり、空気をも掴もうとするかのように空中に漂う姿。根が水分を求めて空中に深く食い込んでゆく姿。増殖するための行動を続けるこれらの姿は、私の触覚を刺激してやまない。
「時間」という次元を表現するための手段を模索しているのだが、時間という一定の流れの中で刻々と成長し変容する、これら生命の形態を見つめることが、何かの糸口になるような気がしてならない。(平戸 貢児)
◼︎自分のやりたいことが絞れずに外的要因によって多くのものを作ってきたふしがある。
木材か金属か、工芸か彫刻か、また作家なのか職人なのか、それはその時の変装した自分の姿のモンタージュ写真を並べて来たに過ぎず、本当の素顔を見せることを拒み続けてきた軌跡とも言える。しかし、いまそれらの一つ一つを振り返ることよりも、現在のテーマである「JOINT 木組」という制作のひとつの糸口を掘り下げてゆくこと。すなわち自分自身の素顔が細部にわたり明確に見えてくるまで自分と向き合い、自画像としての作品を作り続け、完成させることがこれからの自分に重要であると考えている。(松村 真)
報道資料:
- ぴあ 2000.1/24 表示