(photo:S)
作者コメント:記号的に形づくられ相互に関係づけられた御影石の4つのパーツが一かたまりとなって、床に並べられる空間の基底部を形成している。(石の表面はノミによる痕跡が幾重にも折り重なり、様々な記憶を澱のように沈みこませている。)
大きくとられた周囲の空間は、針状の石の小片、はがされた石の表皮、半透明の紙の重なり等で組み立てられた小オブジェや天上から壁に当てられる光の波紋によって構成され、床の作品と共に空間全体を原初の記憶を呼び覚ます対話的な場にかえる。
題における〈水〉とはさらさらとしてつかみどころなく内部や周囲を巡り、人と人の間(境界)を危うくする水に類するもの(情動性)を意味する。